2014年7月5日。
日曜日、晴れ
茂木町,町民センター
茂木町青少年健全育成集会の「社会を明るくする運動」
子供の才能の見つけ方、伸ばし方
(親バカのススメ~子供の才能を引き出す法則とは~)
世界的ピアニスト辻井伸行氏の母
1988年9月に息子の伸行を出産。
ところが間もなく眼科医による全盲というご診断を受け、正直それがどういうことか?
これからはどのように子育てをすればいいか?非常に戸惑い、しばらくはショックが抜けなかった。
本当はあまり物事を深く考えすぎない自分ではありましたが、息子が一生何をも見ることが出来ないという現実の壁とぶつかり、辛い日々を過ごしました。
何が一番辛いか?と言いますと、美しい場所へ行った時や美しい物を見た時ですね。
それすべてを息子に説明しても彼はそれがどのような物かは分からないし、説明も出来ない。
全盲にもかかわらずとても明るく生きている福沢さんの姿に感動し、気持ちもとてもポジティブになったので、これからは息子の為にも福沢さんをお手本にして明るく、目標を見付けて前向きに生きて行く人間に育てようと思いました。
そしてその感謝の気持ちを伝えるべく、自分の言葉をカセットテープに録音して、本の出版社へ送ったら、思いもがけぬ返事が来て、「よかったら今度家にいらっしゃい」とのことでした。
実際お会いし、子育てについて悩んでいることを伝えると福沢さんは
「あまり難しく考えなくてもいいんじゃない?普通でいいわよ!普通の子供と同じく育てればいい!目が見えなくても耳や鼻で感じられるから…」という返事でした。
「あまり難しく考えなくてもいいんじゃない?普通でいいわよ!普通の子供と同じく育てればいい!目が見えなくても耳や鼻で感じられるから…」という返事でした。
以来、息子が見えないことを怖がらずにお花見や花火、スイミングスクールや山登り、スキーなどなど色んな場所へ連れて行き、その都度、そこにあるものを一つ一つ丁寧に説明し、手に触らせ、鼻に嗅がせていました。
目が見えなくても、全身を使って感じ取れることがたくさんあるんだな?ということを教えてもらいました。
それこそコンサートなどでたくさんのお花を頂くんですが、その匂いで息子が「ああ、今日はカサブランカが多いですね!?すごい匂いがするね??」とか、春になると「ああ、スイトピーの香りがして春ですね!?」とか答えます。
そして、彼の音楽才能に気づいたのが生後8ヶ月のときのことでした。
とにかくCDを聞(聴かせてあげた)子で、その中で特に好きだったのが
ロシアを代表するピアニストスタにスラヴ・ブーニン氏によるショパン作曲:「英雄のポロネーズ」でした。
曲が流れ出すと畳の部屋のふすまを両足で(寝ながら)パタパタ蹴り、とても嬉しく笑ってました。
他の曲になるとシーンとおとなしくしますが、やはりこの曲が流れるで喜びを欠かせない伸行くん。
お母さんとしては嬉しいので、なんども何度も繰り返し聞かせてあげた結果、ある日CDに傷がついてしまい、掛かれなくなった。
新しいCDを求め、買いに出かけたのですが、同じものが全く見つからない。
「英雄のポロネーズ」だったら誰の演奏でも喜ぶんじゃない?と思った母は違うCDを買い、聞かせてあげた。
「英雄のポロネーズ」だったら誰の演奏でも喜ぶんじゃない?と思った母は違うCDを買い、聞かせてあげた。
ところが伸行くんはどうしたことか?無反応!
旦那さんと相談してみるが、リアリスト(現実的)なご主人からは
「赤ちゃんだからもう飽きたんじゃないの!?」という答えしか帰ってこない。
「赤ちゃんだからもう飽きたんじゃないの!?」という答えしか帰ってこない。
あれほど喜んだ曲なのにもうあの笑顔を見れないのか?と思った母は何としても喜ばせたくて、最初のと同じCDを探し続け、見つけた。
祈る想いで曲をかけたが、なんと伸行くんが案の定大喜び!!!
「もしかしたらこの子には音楽家の違いを聞き分ける才能が有るのではないか?」
息子の未来を導くような小さな遠い光が見え、密かに喜んだ母いつ子であった。
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